坂口美里とガルダスト
「ご無事ですか?」
目の前まで迫るや否や、私たちに迫ってくる爺や。
「ご覧の通り、怪我ひとつ負ってないわ。」
それに対して、笑顔を見せるカオリ。
相変わらず、優雅な笑みだ。
「お嬢様、ただいま警察がアルタス様の家に立ち入り調査をしたとのことで、先ほど、連行されていきました。他の鉄人機もすでに、3機を捕らえております。全てを捕らえるのは、時間の問題かと・・・。」
「そう・・・ありがとう。ご苦労様・・・。」
カオリの大きなため息が漏れた。
おそらく、先ほどの犯人の言葉が耳に残っているのだろう。
正義は人それぞれだ。一概に、彼らのやったことは責められない・・・。
「美里・・・ありがとね。」
でも、カオリはその優雅な笑みを浮かべて、私にお礼を言ってくれた。
「どういたしまして。」
ならば、私も今出来る精一杯の顔で返事をするしかない。
それでも、瞳から溢れる涙は止まらない。
こんなときにもウソがつけない自分は、どこか情けなかった・・・。