坂口美里とガルダスト
そして、そんな私に、追い討ちをかけるように、あの時、私たちと戦ったスラムのおじさんの刑が言い渡された。
無期懲役だそうだ。
意味が分からなかった。彼が事実上行った罪は、器物破損だけのはずなのに。
おじさんには家族がいる。彼らはいったいどうなるというんだ?
「身分の問題なのよ・・・。彼は第15階級だから・・・。」
カオリが言った。
「だったら、そんなもの取っ払えばいいでしょ?平等主義、基本的人権の尊重!!難しくないはずでしょ!?」
私は叫んだが。
「そんな問題じゃないの。」
カオリが言い。
「問題は、そこじゃないんだよ。」
兄貴も言った。
わけが分からなかったが、聞いたところで、私に理解できる自信はなかった。
私は・・・本当に、自分勝手で、バカな子どもなのだろう・・・。
でも、そんな、落ち込んでいる私に対して、カオリは優しく、本当に実のお姉さんのように優しく言ってくれた。