坂口美里とガルダスト

「へ?」


 驚いたカオリの表情。


 そんなはずはない・・・と、顔が言っている。


「だから、私たちの世界には貴族なんてモノは存在しないんです。」


「うそ~!!」


「ウソじゃありませんよ。そんなに驚くことですか?」


 道徳の時間にも歴史の時間にも教わった。


 もし、日本に貴族なんていたら、私の方がビックリだ。


「うん。そりゃもう・・・。だって、私たちの世界ではね。第1階級から、第15階級まで、人の身分が分別されていて、それぞれに、厳しいルールが惹かれているの。ちなみに、私は第3階級ね。」


「第3階級?」


 意味が分からないといわんばかりにカオリの言葉を復唱する。


「あぁ、この国で第1階級といえば、王族のみ。そこから身分と財産に応じて、貴族の中では第2階級から第5階級まで振り分けられるの。後にお金や、国にどれだけ貢献したかによって、繰り上がることも可能だけど、私は今の階級で満足しているわ。」


 さすが・・・。


 ガルダストを持っているところから、只者ではないと思っていたが、第3階級か・・・。


 きっと、ものすごく偉い場所に位置するのだろうな・・・。


「王様がいるんですか?」


「そうよ?あなたたちの世界にはいないの?」


「いる国もありますけど、私たちの国にはいません。国民が選ぶんです。」


「国王を?」


「いや・・・って言うか、国で一番偉い人を。」


 あれ?でも、確か、総理大臣って、正確には国民が選ぶわけじゃないような気がしたけど・・・。


 ま、いっか。


< 38 / 152 >

この作品をシェア

pagetop