坂口美里とガルダスト
「へ?」
驚いたカオリの表情。
そんなはずはない・・・と、顔が言っている。
「だから、私たちの世界には貴族なんてモノは存在しないんです。」
「うそ~!!」
「ウソじゃありませんよ。そんなに驚くことですか?」
道徳の時間にも歴史の時間にも教わった。
もし、日本に貴族なんていたら、私の方がビックリだ。
「うん。そりゃもう・・・。だって、私たちの世界ではね。第1階級から、第15階級まで、人の身分が分別されていて、それぞれに、厳しいルールが惹かれているの。ちなみに、私は第3階級ね。」
「第3階級?」
意味が分からないといわんばかりにカオリの言葉を復唱する。
「あぁ、この国で第1階級といえば、王族のみ。そこから身分と財産に応じて、貴族の中では第2階級から第5階級まで振り分けられるの。後にお金や、国にどれだけ貢献したかによって、繰り上がることも可能だけど、私は今の階級で満足しているわ。」
さすが・・・。
ガルダストを持っているところから、只者ではないと思っていたが、第3階級か・・・。
きっと、ものすごく偉い場所に位置するのだろうな・・・。
「王様がいるんですか?」
「そうよ?あなたたちの世界にはいないの?」
「いる国もありますけど、私たちの国にはいません。国民が選ぶんです。」
「国王を?」
「いや・・・って言うか、国で一番偉い人を。」
あれ?でも、確か、総理大臣って、正確には国民が選ぶわけじゃないような気がしたけど・・・。
ま、いっか。