坂口美里とガルダスト
「もしかして、鉄人機をスラムの住人に配って、治安を悪化させる?」
勝手な予想だが、ほぼ間違いないという自信はあった。
「そう、軍事産業なんて、治安が悪化すれば悪化するほど、儲けることができる職業よ。鉄人機が、法律を無視して街中で暴れまくれば、警察だって、軍隊だって簡単には取り押さえることができないわ。」
なるほど・・・。
そうなったところを、アルタスさんは、今度は『警察官用鉄人機』なんかを警察官に売ったり、『軍用鉄人機』を作ったりすることによって、儲けられるというわけか・・・。
うまいなぁ~。
「でも、そんなことしたらアルタスさんも無事ではいられないんじゃありません?」
「別に、そんなのいくらでも誤魔化しが聞くわ。真っ先に、あの家を襲わせればいいだけの話でしょうし・・・。」
なるほど・・・。
確かにその通りだ。
「でも、どうして、そんなことを・・・」
知っているのか・・・と、聞こうとして。
「知っているのか?」
先を越された。
「ハイ。」
「簡単よ。私の家もまったく同じ産業をしているもの。アルタス財閥には、何人もの我が社のスパイが潜入しているわ。」
「え?」
突然の恐ろしい話に思わず、おかしな声が出る。