坂口美里とガルダスト

「ねぇ・・・思ったんだけど、そのガトトリノって、どんなエネルギーなの?やっぱり、石油か何か?」


「石油・・・ガソリンのこと?そんなものではないわ。それがなくなったら、自動車が走らなくなってしまうもの・・・。もっと高価で希少価値があるものよ。」


「もっと希少価値?何?・・・黄金とか?」


「いいえ・・・そっか、あなたたちの世界にはないものかもしれないわね。ガトトリノっていうのは、麦よ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」


 予想外の展開に私はものすごくスットンキョンな声が出た。


 私たちの世界にとって、麦なんて全然希少価値があるものでなければ、高価でもない。


 頑張れば、私のお小遣いでも買えてしまう額だ。


 どこで買えるのかは分からないけど・・・。


「あぁ、麦と言っても、麦そのものがエネルギーになるわけじゃないわ。麦を特殊な方法で発酵させて、アルコールを生み出すの。それを水と混ぜ合わせた・・・まぁ、一種のお酒のようなものが、鉄人機のエネルギーね。」


 カオリの言葉を聞いて、私の中で1つのイメージが出来上がる。


 確か、アレは小学生の頃・・・兄貴に炭酸のリンゴジュースだと騙されて飲んで・・・。


 とっても苦くて・・・、お父さんはいつも風呂上りに飲んでいて・・・。

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