坂口美里とガルダスト

「うん。別にいいよ。じゃあ、ちょっと待ってて。ガルダストSFGのビデオ予約してくる。」


 最近始まった、ガルダストシリーズの最新作。その名もガルダストSFG。


 主人公のライバル関係にあった敵が主人公という、今までのアニメシリーズとしては、異色の作品。


 もちろん、一週たりとも逃すことはできない。マニアとして・・・オタクとして!!


「お前、まだ見てるの?ガルダスト?」


「何言ってるの、隆!!私からガルダストを奪ったら、何が残るというのよ!」


「・・・・・えばって言うなよ。15歳。」


「うるさいよ。ちびすけ。」


「なんだと~!」


「・・・・お前たち、痴話げんかなら、家から出てやれ。」


 二人の会話は、兄貴の呆れ声によって、中断された。


「あ、兄貴。」


 私が、後ろを見て口にする。


「こんにちは坂口先輩。」


 隆が正面を向いたまま律儀に頭を下げて挨拶をした。


 隆と兄貴は同じサッカー部の先輩後輩。


 それ以前に、私と付き合っている以上、隆が兄貴に頭が上がるはずもない。


「お前たち、フリマに行くんだろう?」


「聞いてたの?」


「聞こえたんだよ。」


「ハイ。山の内公園で、フリーマーケットが開かれているって・・・先輩も来ますか?」


 隆、余計なコトを言うな!!


 兄貴なんて連れて行けるか、バカ!!


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