坂口美里とガルダスト
「いやはや・・・この爺。カオリ様にお使えし続け、早18年。やっとこお嬢様にもこのように信用できる友が出来るなんて、私は感激です。・・・これからもお嬢様のコトを何とぞよろしくお願いします。」
深々と、頭を下げる爺や。
「あ、いや・・・とんでもありません。こちらこそ、よろしくお願いします。」
思わず、深々と頭を下げかえしてしまった。
その後、爺やが色々と話してくれたりしたが、緊張のしすぎか、最後まで私の耳には届かなかった・・・。
「さぁ、もうじき到着です。お嬢様がお待ちですよ。」
そんな緊張した時間を過ごすこと数分間。
ベンツはようやく、カオリの家に辿りつく。
爺やに言われて、再び窓の外を眺めると、昨日と同じような広場が見えており、真っ赤なカオリ専用ガルダストが見ることができた。
ガルダストの隣には、空港でよく見かける、移動式巨大階段を見ることができる。
きっと、アレでガルダストの頭や肩に上ったりするのだろう。
・・・・目的は分からないけど・・・・・・。
「ありがとうございます。」
広場の前で止まるベンツ。
私は爺やと運転手、両方に深々と頭を下げると、車の扉を開けて、トランクからトートバックを取り出す。
軽く10キロは超えているトートバックを引きずりながら、向かうのはカオリ専用のガルダストのところ。
爺やが持つと申し出たが、年齢のコトを考えて遠慮した。
これでも、庶民派代表美里ちゃん。
10キロのトートバックぐらいでは、根を上げたりはしない。