坂口美里とガルダスト

「おまたせ~。」


 息を切らせながら、カオリに声をかける。


「いいえ、私も今出てきたところよ。それより、それがガトトリノに変わるエネルギー?」


 ガルダストの足元で待っていた、カオリが私のトートバックに視線をうつす。


 どうでもいいことかもしれないが、彼女の今日の服装はジーパンにシャツというラフなもの。


 私と、まったく一緒だ。


 それでも、きっと私が今日来ているようなジャスコのセール品とは違うんだろうな~。


「う~ん・・・それは、分からないけど、とりあえず、実験してみないことには・・・。」


 トートバックを重そうに、カオリの足元に下ろす。


「それもそうね。それじゃあ、さっそくやってみましょう。」


 笑顔でトートバックに手を突っ込むカオリ。


 さっそく、ビールの缶を両手に持って、ガルダストの肩まで上っていく。


 なるほど、ガルダストのエネルギーは肩から入れるのか。


 それで、隣にある移動式巨大階段は、そういう目的のためだったんだな。


 私が、一人関心をしていると・・・。


「美里~。この缶どうやって開けるの~?」


 カオリが、肩から声をかけてきた。


 そうだった。お嬢様が、あの特殊な日本の缶の開け方なんて知る由もない・・・。


「あ、今行く~。」


 私は、まだ大量にビールが入っているトートバックを肩にかけると、階段を上ってガルダストの肩まで登る。


 お・・・重いな・・・チクショウ!!


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