坂口美里とガルダスト
「美里も乗ってみる?」
カオリからの思わぬ提案。
「いいの!?」
思わず、自分の声が張りあがったのが分かった。
「かまわないわよ。ちょっと狭いけど、いらっしゃい。」
当然、断る気は毛頭ない。
私もカオリ同様、ガルダストの上を起用にはいずりながら胸の位置まで移動すると、カオリの手に引っ張られるように、コックピットに潜入した。
「これが・・・ガルダストのコックピット?」
私は、周りを見渡しながら声を出す。
正直、想像とはとてつもなくかけ離れたものだと思った。
私は、もっと暗くてゴミゴミとしていて、機械類が所狭しと並ばれている操縦席を想像していたのに、カオリのガルダストの中身は、綺麗に装飾されていて、ゆとりスペースも十分確保されている。
周りに散りばめられていると思っていた機械類は全て正面にのみ集中されていて。それでもモニターだけは、360度、全ての角度を見られるようになっていた。
一番近いものをあげるなら、これは車の運転席だ。
ただし、椅子は1つだけ。
私は、カオリの横に邪魔にならないように、椅子の右斜め後ろでもたれかかるように、立つ。
ゆとりスペースが多いため、私が一人コックピットにはいったぐらいでは、邪魔になる様子はない。
どこが、『ちょっと狭いけど』なんだ?