坂口美里とガルダスト

 買い込み担当はもちろん私。


 整備担当はカオリ・・・って言うか、カオリの家の人々。


 このときになって初めて知ったのだが、カオリの家には、今の赤い機体を含め、全部で10機のガルダストがあるらしい。


 どうやら、フットサルをやりたかったために、買い揃えたらしいのだが、お金持ちの考えることは良く分からない・・・。


「作戦は、以上。完璧だ。」


 紙に書いた『極秘作戦』の文書を読みながら、私は汗をぬぐう。


 気分は、すっかり少年探偵団。


 ちなみに、紙とペンは、カオリのガルダストの中に入っていたものを使用した。


 車の中に色んなものを置きっぱなしにいる人間は、たくさんいるってことは、知っていたけど、まさか、カオリがそういう人間だったとは、ちょっとした驚きだ。


「ねぇ、美里。思ったんだけど、私も美里の世界で買い物をしてみたいわ。」


 作戦会議が終わった後、カオリが突然申し出る。


「・・・・・・へ?」


 そりゃ、思わず変な声も、漏れるというものだ。


「だって、美里が物資を買い求めている間、私だけ自分の家で待機なんて、つまらない。」


 まぁ、私が逆の立場でも、そう思うだろうな・・・。


 しかし・・・・。

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