坂口美里とガルダスト

「ちょっと待て、どういうことだ?説明しろ美里。」


 相変わらず偉そうな口調だな~兄貴は・・・。


「あぁ、兄貴。この人はカオリ。よ~く見てみて。そっくりでしょ?」


 カオリを手で差し伸べながら口にしてみる。


 それに言われるがままに、兄貴はカオリの方に顔を向けてみて・・・。


「うわっ!本当に、俺そっくりだ。」


 初対面の人間にそれはない・・・。


「あ、始めまして。私、アマネ=カオリと申します。美里とは昨日であったばかりなのですが、すっかり意気投合して良い友好関係を築いている最中であります。」


 さすがこの世界屈指のお嬢様。


 初対面であろうときちんとした挨拶を心得ている。


「あ、それはそれは・・・妹がお世話になっております。」


 それに対して、兄貴も条件反射でお辞儀を返す。


 まったく同じ顔が面と向かって挨拶をしているという姿も、はたから見てると、この上なく滑稽で噴出しそうになってしまう。


「それで、ここはいったいどこなんだ?そして、俺をここに連れてきてどうしようという気だ?」


「今、説明いたしますわ。美里。」


 カオリが私に目配せしたのが合図。


「ハイ。ここは私たちから見たら異世界です。ほら、松本おじさんの向かい側に住んでいたお婆さんがいたでしょ?兄貴が『黒髪の魔女』って名付けた・・・。」


 それから、私はこれまでの経緯を一通り話した。


 異世界にきて、ガルダストがあったこと、アルタスと言う男が陰謀を持っていること。カオリと私がどのようにして出会った等など・・・。


 そして・・・。


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