坂口美里とガルダスト
「まぁ、確かにそうだけど・・・。」
「なら、お願いです。大丈夫です。あまりお手数はかけませんわ。昨日の夜、爺やにすべての事情を話しておきました。後は、彼の支持に従っていれば問題はないはずですわ。」
さすが爺や!!話が分かる!!
でも、大丈夫なのだろうか。
「だからって・・・。」
「も・ち・ろ・ん。報酬もお支払いいたしますわ。お願いします。私の小さい頃からの夢なのです。未知の世界での大冒険・・・。」
目を潤ませて下から覗き込むような視線で懇願するカオリ。
いくら同じ顔をしているからとはいえ、女性にこんな顔をされては、男としては立つ瀬がないだろう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日中には帰ってこられるのだろうな?」
兄貴は私に視線を下ろして口にする。
「もちろん!」
商談成立。
「ありがとうございます!!このご恩は必ずお返しします!」
カオリのご丁寧なお礼の言葉は、兄貴の。
「いや・・・。頼むから、俺と同じ顔で、そういうことを言わないでくれ・・・。」
という言う一言で、一蹴された。
それから、私は、喜び勇んで、持っていた調整済みの兄貴の服をカオリに渡す。
そして・・・。
「あ、カオリは化粧を落として、胸はできるだけ押さえつけてね。仮にも男なんだから・・・。」
「分かったわ。」
「そして、兄貴の方だけど・・・。」
私は、兄貴の方を見ていやらしい笑みを浮かべ・・・。