坂口美里とガルダスト

「確かに、これなら50万はくだらないが・・・それにしても、これをどこで手に入れたんだね?」


 街角にあるこの市で一番大きな質屋さん。


 そこで、カオリが持ってきた指輪を見せる。


 どうやらカオリの16歳の誕生日にもらったものの1つらしい。


 くそぉ~・・・今年の私の誕生日プレゼントは図書券1000円分だったぞ。


「えっと・・・それは・・・。」


 口ごもるカオリ。このままではまずい!


「母の形見なんです!!」


 私が半泣きになりながら、おじさんに迫った。


「は?」


 不思議そうな顔をするおじさん。


 そんなものをとりあえず無視して私は語り始める。


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