坂口美里とガルダスト
「私たちは、小さい頃に親をなくして、親戚の家に預けられたんです!!でもそこはとてもとても口に語るも恐ろしい場所で・・・。昼はオバサンにこき使われ、夜にはオジサンの相手をさせられ・・・。私もお兄ちゃんも、昨日命からがらそこから逃げてきたんです。警察を頼ればいいじゃないかって・・・そんなことできるはずもありません!なぜなら、オジサンは警察官僚だからです。そんなこと、あっさり揉み消されるに違いないんです。私たちに残された道はタダ1つ。遠く、誰も知らない街に逃げ出すことでした・・・。この唯一オジサンオバサンから守り抜いた、お母さんの形見だけが私達の唯一の財産なんです。これをお金に換えて、私たちは今から遠くに旅立とうと思います・・・。お願いです!!どうか、この際未成年だということには目をつぶって、この指輪を換金してください!」
途中から、感情移入が行き過ぎて、本気で涙が出ていた。
これには正直、自分でもビックリした。
私・・・案外演劇の才能あるかも・・・。
「み・・・美里?」
唖然とするカオリ。
しかし、ここでカオリがそんな態度とられたら元も子もない。
「これから二人で頑張ろうね!!お兄ちゃん!!」
泣きながらカオリに抱きついて、顔を隠す。
こんなキョトンとした顔、質屋のおじさんに見せられるものか。