Birth
「今日は、もう止めろ。」




グラスワインの、おかわりを頼もうとした私の腕を隼人が掴んだ。




「大丈夫だって! 今日は食事もしてるから平気。
おごりでしょ? 飲むんだぁー。」



ウキウキしながら言ったら


「ダメだ。」




…今日は許してくれない。





「何よー。隼人のケチ!」



ジロリと睨む。





「お前さー。年下なんだから、年上に対して遠慮ってのはないの?」



ちょっと呆れ顔の隼人。




「隼人、いくつだっけ?」



「先月で、33になった。」



「私は、来年の3月で33になる。1つ下だけど、同級生だから、いいじゃん!」



「えっ… お前、3月生まれ?」




驚いた隼人が手を離したスキに、ワインをおかわりした。





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