Birth
「そうよ。何でそんなに驚くの?」



水を飲みながら、隼人を見る。





「いや… お前の名前、夏実だろ? てっきり、夏生まれかと。」





「はぁ… それ、何回言われたか、わかんない…」




ちょうど運ばれてきたワインを口にした。




ホント、この名前には、迷惑してるんだ。






「父親がね、私が生まれた時の笑った顔が、ヒマワリみたいに見えたんだって。

だから、夏に実る花で、夏実。

どうせ花を連想するのなら、桃とか桜とか、春っぽいのにしてくれれば良かったのに。」




この説明を、何人の人にしただろう。





ほんと、父親の発想には、ついていけない。






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