Birth
ドアに手をかけてた私は、振り返る。





名前は、頬にキスの合図。



私は彼の方へ向き直った。





ゆっくり近づいてきた隼人が、私の前で止まる。



でも、そこから動かない。





「どう… したの?」




さすがに、いつもと違う事に気づいた。







「…唇でも、いいか?」




「…えっ?…」





「キス… 唇でも、いいか?」






急に… どうして?




それに、いつもみたいに、からかう様に言ってくれればいいのに…





とても真剣な顔で言うから




どうしていいか、わからない。







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