Birth
「ありがとうございました。」




予定者が全員終了し、私は隼人に頭を下げる。





「お疲れさん。」




パソコン画面を見ながら話す隼人。








帰りながら、自分の手を見つめる。






もう… ヤダよ…




彼の手の感触が、まだ私の手に残ってる。






彼の匂い、手の感触、さりげない優しさ…





もう忘れようと頑張ってるのに…





嫌いになるどころか、どんどん好きになってしまう。






苦しい…



苦しくて、たまらない。






私は自分の手を握りしめて胸に当て、誰もいない廊下で立ちつくしていた。








< 131 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop