Birth
「隼人! 起きて! もう、行かないと!」




私は起き上がり、彼の体を揺すった。






「うーん… もう少し寝る…」



目も開けずに、私に背中を向ける。





「ダメ! 今日は朝からオペでしょ! 遅刻する訳にはいかないの!」




しつこく揺らすと、やっと目を開けた。






「あぁ… そうか。
お前、よく起きたな。ついさっきまで、あんなに激しかったのに。」



ニヤッとする隼人。






「バカ!何言ってんのよ。
アラームセットしてたの! 私も朝から仕事なんだから。」



そう言いながら、もう私は服を着ていた。








ホテルを出た所で、隼人が大きなあくびをする。





「オペ中に居眠りなんて、しないでよ!」



ポンと彼の背中を叩く。




「当たり前だろ! お前こそ、遅刻すんなよ!」






そして私達は別々にタクシーに乗り、一度家に戻った。






< 149 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop