Birth
それから数週間後。



病棟の廊下で隼人とすれ違い、軽く会釈した。






「紺野さん。」



呼び止められて、振り返る。






「今夜、あいてる?」



近づいてきた彼が、声をひそめる。






「えっ… あいてますけど…」




「じゃあ7時に、あの公園な。」




そう言って、すっと離れて行った。






初めてだ。




隼人が仕事中に、プライベートな事で声をかけてくるなんて。






どうして?






何故か嬉しさより、不安が押し寄せてくる…





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