Birth
「本当は、俺も行きたくないけど…。 でも次の病院は、俺が行かないと完全に潰れてしまう。
ここより厳しい状況なんだ。
そこにも患者さんは居る。医者として、放っておく訳にはいかない。」




隼人はグラスを見たまま、顔を上げない。






隼人が、居なくなる…




出産も、なくなる…




私は… どうしたら、いい?








「私も… 行く…」



無意識に、つぶやいていた。





彼が顔を上げ、私を見る。




「私も隼人と一緒に行く。
 嫌だ… 離れたくない!」



彼の腕を、しっかり掴んだ。





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