Birth
「赤ちゃん… やっぱり可愛いね。」




私はまた、ガラスごしの赤ちゃん達に視線を戻す。





「あぁ。数は少ないけど、ポツポツ生まれてる。 お前、明日は?」




「休み。」




「もうすぐ終わるから、ロビーで待ってろ。」




「いいよ、無理しないで。私が勝手に来たんだし。」



私は隼人を見上げた。





「無理じゃねーの。絶対帰るな! 帰ったら… 絶交だ!」





「ぜ、絶交って…」




病棟という場所で爆笑する訳にもいかず、私は口に手を当てて、肩を震わせて笑った。







「何だよー。あっ!俺、行かないと。 絶対帰るなよ!」




しつこく念を押して去っていく。








変わってない…





不器用で、でも愛に溢れてて…








「よかったね。いい先生が居てくれて。」





私は赤ちゃん達に、声をかけた。








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