Birth
「全く… どこまで空気読めない男だろうね。」




いつの間にか隣に立ってた涼子さんが、中島くんを見て呟く。






「涼子さん! いつから、居たんですか?」




「ついさっきよ。あっ、大丈夫。二人がキスするとこは、見てないから♪」




…見てんじゃん…




「してませんからっ!」




「あら、する寸前だった?」




「もーっ! 涼子さんっ!」




ニヤリとする涼子さんの腕をブンブン振った。





「先生と、あんまり話してないでしょ? だから、なっちゃんを追いかけて行く先生を、みんな見て見ぬふりしてたのに…
中島のヤツ、後でパンチしとくから!」




握りこぶしをグッと作る涼子さんを見て、笑ってしまった。








結局、最後まで隼人の周りには誰かがいて、私は話す事が出来なかった。




明日は帰ってしまうのに…




こんなんだったら、私が向こうに行った時の方が、よっぽど良かったな…







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