Birth
「お客様、確か… 1年前にも、いらして下さいましたよね?」




店員さんが、微笑みながら近づいてくる。





あのルビーも、ここで買ったんだ…






「はぁ… あの時は、お世話になりました。 どうもコイツには、大きかったみたいで…」




オデコを掻きながら、店員さんに頭を下げてる。





「覚えてますよ。かなり、悩まれましたものね。
そうですか… こちらの方なら、確かに大きかったでしょうね。」




私を見て、ニッコリ笑う店員さん。





やっぱり、私のために悩んでくれたんだ。






「夏実、あんまり時間ないから、早く決めてくれよ!」




照れてるのか、背中を押して私をせかす。






そして、今度は私の誕生石の指輪を買ってくれた。






それも、左手の薬指にピッタリのサイズを。








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