Birth
「いらっしゃいませ! 今年も、お誕生日プレゼントですか?」





「はぁ…」





ニッコリ微笑む店員さんに、曖昧に笑う私。





ここは去年も来た、ジュエリーショップ。




いつも何も言わずに連れて来られるから、何とも言いようがない。






「夏実! これは?」




隼人が覗き込むショーケースに、近づいた。






そこは、キラキラ輝くダイヤのコーナー。






「い、いいよ。ダイヤなんて。 高いし。」




「でも女の人って、ダイヤとか欲しいんじゃねーの? お前、持ってんの?」





「持ってないけど… ね!今年はピアスにしよ?」




彼の腕を引っ張った。







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