Birth
「いや! 今年はダイヤ! 好きなの選べ!」





もう… 言いだしたら聞かないし。 また命令口調だし。





でも… やっぱり綺麗…




美しいダイヤの輝きに、顔がゆるむ。






そしてまた、左手の薬指に合う、小さなダイヤを買ってもらった。










「引っ越しも手伝えよ!」




「はい、はい。」






駅のホームで手を振り、一旦帰る隼人を見送る。







4月からは、こうやって見送らなくても、いいんだよね…





私は薬指に光る、ダイヤの指輪をソッと触った。









< 203 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop