Birth
「夏実ちゃん、車どこ? 暗いから一緒に行こう!」



夕希さんが言ってくれたけど…




「あ… 私、忘れ物しちゃいました。更衣室戻りますから、先に行って下さい。」



そう、返事をした。




「でも… 一人は危ないよ。」



心配そうな夕希さん。





「大丈夫ですよ。俺がついて行きますから。」



成海が急に、私の肩に手を乗せた。




それを見た夕希さんは、香田さんと目を合わせ、



「じゃあ先生よろしくね! 夏実ちゃん、お疲れさま!」



と、手を振って帰って行った。




「お疲れさまでしたー!」



私は明るく返事した。





そして、二人が仲良く手をつないで、車へ向かうのをじっと見てた。






< 53 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop