Birth
「うん…」



私は素直にうなずいて、ベッドに上がる。




その時、隼人が離れていくのを見て、私は思わず彼の腕を掴んでいた。





「な、なんだよ。」



驚いた顔で、私を見る隼人。





「いや… 行かないで。」



「置いてかないよ。そこのソファーに居るから。」



「イヤ…ここに居て。そばにいて!」



私は隼人の腕を、思いっきり引っ張った。



よろけた彼は、倒れこむ様にベッドに座った。






「ここに居て… 一緒に居て… 一人は、嫌だよぉ…」




私は、彼の腕を離さなかった。





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