Birth
「夕希、どうしてるかなー…」




ある日の午後、涼子さんが頬杖をついて、つぶやいた。





パーティーから一ヶ月後、新婚旅行に行った夕希さんは、休みをとっている。




「そうですねー。楽しいんだろうなぁ…」



私も、つぶやく。そして、何故か、ため息…




「どうしたの? やっぱ夕希が羨ましい?」




私の小さなため息を見逃さなかった、先輩の涼子さん。




「羨ましいなんて、ないですよー。 結婚も、あんまり興味ないし。」



私は正直に言ったのだけど…




「まぁ、そのうち紺野夏実にも、白馬に乗った王子様が現れるよ!」



と、涼子さんに肩を叩かれた。




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