Birth
「へぇー。キス、ぐらいね。」




『ぐらい』を妙に強調して、ニヤッとしながら隼人が近づいて来る。





「いいんだな?」




「い、いいよ!」




口ではそう言いながらも、後ずさりしてる私。





そして、背中が壁にぶつかった。





ううっ… 逃げられない。




でも自分で言ったんだ。



女に二言はない!!






キスくらい…


どうって事ない!






隼人が私を挟むようにして、壁に両手をついた。





私は目をギュッと閉じ、全身に力を入れる。





隼人が近づいて来るのが、気配で分かる…






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