Birth
「別に…。本当に必要だと思ったから。
ここの助産師は優秀だよ。行動力もあるし。
みんながヤル気なら、力になるべきだと思ったからさ。」




いつものように、椅子をクルクル回しながら話す。




その仕草が照れ隠しの様に思えてきて、クスッと笑った。





「なんだよー。」




隼人が立ち上がって、近づいてくる。





「いえ。何でもないですよ。」




私はまだ笑いながら、持っていた書類に視線を落とした。






『チュッ』




…頬にキスされた。





「ちょっ! 何すんのよ!」




ほっぺを押さえて、彼を見る。






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