嫌いなアイツは前の席【完】
「あ、そうだ。綾乃って電車通学?」
下駄箱で靴を履いていると、そんな質問をされた。
「ううん。歩き」
「そっか、じゃあちょっと門で待ってて?」
奴はそう言うと自転車置き場の方に歩いて行った。
私は言われた通り、門へ歩き出した。
てかアイツ自転車通学なんだ‥。
‥‥って、そんなのどうでもいい!
なんでアイツの事考えてんの私っ!!
私は頭の中のアイツを振り払うように、頭をふるふると振った。