嫌いなアイツは前の席【完】
ドキドキなんて有り得ない!
「次どこ~?」
「そこの信号を右」
さっきから繰り返されるこの会話。
他に話す事もなく、しかも奴は何故か必要事項以外話しかけてこない為、無言。
時々風に乗って香る奴の香水の香りに、私の胸は心拍数を上げていた。
‥‥なんで私こいつにドキドキしてんの?
いや、これは違う。
二人乗りなんか滅多にしないから、怖さでドキドキしてるんだ。
と、さっきから頭の中で繰り返した。
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ドキドキなんて有り得ない!