嫌いなアイツは前の席【完】
そんな事を考えているうちに家に着いた。
私は自転車が止まったのを確認し、荷台からピョンっと飛び降りた。
「送ってくれてありがとう」
そうお礼を言った私をじーっと見つめるこいつ。
「な、なに」
私は居心地が悪くなって聞いた。
「やっぱ綾乃は笑顔が可愛い」
「‥‥はぁ!?」
「出来れば俺の前だけで笑ってて欲しいくらい」
━━ドキッ‥
まただ‥。
なんでドキドキしてるの~っ‥!
「じゃ、また明日ね」
奴はそう言って帰って行った。