嫌いなアイツは前の席【完】
「そっか。‥‥似合うね、可愛い」
━━キュンッ
よ、よかった‥。
「ほんと綾乃は何でも似合うね!可愛すぎて、やばいんだけど」
「そ‥それはどうも‥」
あぁ!もう私!
もっと可愛いげのある言い方できないの!?
「じゃあ行こっか。‥はい」
「ん?」
"はい"、そう言って出されたのは彼の右手。
なに?
そう思って首を傾げた。
「もうほんと綾乃は鈍いな~」
なんて言いながら拓真は私の手を握った。
へっ?あ、そういうこと?
「綾乃はぐれちゃいそうだし?」
「ひどっ!大丈夫ですけどー」
失礼なっ!!
小学生じゃないんだから!