嫌いなアイツは前の席【完】
「もしそうだとしても、私のどこがいいのかさっぱり分からないし」
他に可愛い子なんて沢山いるよ?
「はぁ~っ‥‥」
と、今度は智美が盛大に溜め息をついた。
「綾乃わかってないね。言っとくけど、綾乃は自分が思ってる以上に可愛いからね?」
智美さん?
目、大丈夫ですかー?
「私ちっとも可愛くないよ?」
「ほんと鈍感。その栗色のふわふわ髪の毛!パッチリな目!ぽてっとした唇!それのどこが可愛くないのよ!」
そ、そんな事言われても‥‥
「智美の方が断然可愛いよ?」
私が男だったら絶対惚れるもん。
「もういい、話にならない」
智美は呆れた口調で言って、食べ終わったお弁当を片付けた。