嫌いなアイツは前の席【完】



「もしそうだとしても、私のどこがいいのかさっぱり分からないし」



他に可愛い子なんて沢山いるよ?



「はぁ~っ‥‥」



と、今度は智美が盛大に溜め息をついた。



「綾乃わかってないね。言っとくけど、綾乃は自分が思ってる以上に可愛いからね?」



智美さん?
目、大丈夫ですかー?



「私ちっとも可愛くないよ?」



「ほんと鈍感。その栗色のふわふわ髪の毛!パッチリな目!ぽてっとした唇!それのどこが可愛くないのよ!」



そ、そんな事言われても‥‥



「智美の方が断然可愛いよ?」



私が男だったら絶対惚れるもん。



「もういい、話にならない」


智美は呆れた口調で言って、食べ終わったお弁当を片付けた。


< 5 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop