嫌いなアイツは前の席【完】
第2、第3とレースが終わって、次はいよいよ智美の番。
「どうしよう、私が緊張してきた」
「やだっ、何で綾乃ちゃんが緊張するのー?」
智美がスタートラインに立った。
「位置について、よーい‥‥パンッ!」
その合図に智美も走り出し、紙を引いた。
智美はその紙を見て、こっちに顔を向けた。
「なんか智美こっち見てない?」
すると智美はこっちに走ってきて、
「綾乃!一緒にきて!!」
私の手を引き、走り出した。
「えっ!?」
私は訳が分からないまま、智美と1着でゴール。