嫌いなアイツは前の席【完】
どのくらい寝てただろう。
何かが頬にツンツンと当たる感触で起きた。
「あっ、綾乃起きたー」
どこからかそんな声が聞こえて伏せていた顔を上げた。
そこにはいつものように後ろを向いているアイツが。
「‥‥‥授業は‥?」
「あはっ、綾乃寝ぼけてる?もうとっくに終わったよ」
え‥‥‥?
私ははっと回りを見渡した。
「‥‥誰もいない」
教室には誰もいなくて、私とこいつだけが座っていた。