Veil
「部活帰り??」
「まあ…はい」
「テニス部やろ?」
「え!何でわかったんですか!?」
ラケットはおいてきていたのに当てられたから驚いた。
「体型」
「………」
「そんな引かんといて〜」
「なんでわかったんですか?」
「カン」
「は?」
「いや〜まあ知り合いが有名なプレーヤーなもんでネ〜」
「あそ」
「おいおい!きいといてそれわないわ!」
彼の名前は桜井浩平サン。
関西の出身。東京の大
学の三回生で本屋のア
ルバイトで下宿をさせ
てもらっているらしい。
雨宿りさせてもらっている間に
あたしは彼に入りこんでしまっていた。
桜井さんを好きになるのに時間はそんなにかからなかった。