ずっとそばにいたのに.......
大晦日の夜は航佑と過ごし、初詣をしてから、お昼前に帰宅した。

兄貴の姿が見当たらなかったけど、家族たちは起きたばかりのようで、まだ手をつけていないおせち料理が、こたつの上に並んでいる。



「お帰り。あけおめ。」

「あ、おめでと。お兄ちゃんは?」

「初詣デートじゃん?」

「ふ〜ん。あんたは行く相手いないの?」

「うるせー。な、心優、今日、ヒマ?」

「うん。もう今日は出かけない。」

「あっそ。」

「何で?」

「いや、何でもない。」

「..........。」

「何でもないけどぉ、じゃあさ、今日は家に居ろよ。」

「だから何で?」

「いいから。」

「変なの。」

「変で結構だから、出かけんなよ。」

「..........。」
< 134 / 375 >

この作品をシェア

pagetop