ずっとそばにいたのに.......
「友哉、おせ〜な。」

「わざとでしょ。」

「だよ、な。」



稜がいつものように、ふふっと鼻で笑う。

つられて私も笑顔になり、目を合わせて笑い合う。

それは今までに、何百回、何千回あったかわからない、私たちの日常では当たり前のひとコマ。

気にしたことすらなかったけど、これってこんなに嬉しいことだったんだ。



お別れする前に、いつも通りに話せて良かった。

友哉には、もう頭が上がらないな..........



階段を上って来る音が聞こえてきた。

友哉が頃合いを見計らって上がってきたのかな。



ドアが開いて、したり顔で友哉が現れるんだろうと思ったら、顔を出したのは兄貴だった。
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