ずっとそばにいたのに.......
「俺のことは、本当に気にしなくていいから。お前は航佑に幸せにしてもらえ。」

「.......稜。」

「ほら、次、いつ会えるかわかんないんだから笑って。」

「うん。」

「じゃあ、行ってくる。休みになったら帰って来るから、俺のこと、忘れんなよ。」

「忘れる訳ないでしょ。」

「よし。」



見慣れた悪ガキみたいな笑顔が、突き刺ささるように、激しく胸の奥をキュンとさせる。

本当に忘れてしまえるなら、どれだけ楽だろう。

わかってる。

私の中に住んでいる稜は、この先どんなことがあっても、誰を愛しても、完全に消えてしまうことは絶対にない。
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