ずっとそばにいたのに.......
「その先輩さ、彼女を帰したくないなって思う日に、それとなくプレゼントするんだって。着替え持ってなくても泊まれるように。」

「なるほど。素敵な引き止め方だね。」

「いいこと聞いた、俺もそうしようって思ったのに、早速使っちゃった。何回も使える手じゃないのに。」

「.......ふふふふ。」



自然とお互いに笑みがこぼれる。

まだ未完成の部屋の中に、二人だけの甘くて特別な空間が、もう出来上がっている。



「だって、一緒にいたいんだもん。」

「何か、今日の航祐、可愛いいね。」

「え、そう?」

「うん。すごく可愛いい。いい意味でね。」

「マジ?」

「うん。」
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