ずっとそばにいたのに.......
稜が階段を下りる音を聞きながら、リビングに入って行くと、テーブルの上に意外なものを発見した。



「わ、懐かしい〜!!」

「あぁ........だろ?」

「でも、突然どうしたの?」

「いや、ちょっとさ、久しぶりに見てみたくなって、さっき出して見てた。」



テーブルの上にあったのは、幼稚園の卒園記念にもらったアルバム。

ページを開くと、稜のお母さんが貼ったと思われる懐かしい写真が、溢れんばかりに出てくる。

もう二十年も前の事なのに、一瞬で記憶が蘇り、自然とテンションが上がる。



「この頃ってさ、とにかく朝から晩まで、稜とホントにずっと一緒にいたよね。」

「うん。何も考えてなかったんだろうけど、毎日が楽しくてしょうがなかったことだけは、よく覚えてる。」

「それ、わかる。」
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