ずっとそばにいたのに.......
「キレイな湖とか、雄大な山脈とか、休みの日にはいろんな所に行こう。」

「うん、いっぱい楽しもう。」

「慣れるまでは心細くなることもあると思うけど、全力でお前のこと、守るから。」

「うん.......。」



幸せムードに包まれ、少しずつ少しずつ、自然と二人の距離は縮んで行って、その分、だんだん言葉少なになっていく。

沈黙が続くだけでこんなに心臓がバクバクしちゃうなんて、初めて彼氏の部屋に来た中学生みたいだ。



黙ったまま俯いていたら、稜の腕が私の肩に回され、顔が近付いて来た。

思わず目を閉じると、ゆっくりと唇が触れた。
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