ずっとそばにいたのに.......
初めて航佑と二人きりで会ったのは、クリスマスの一週間前。

会うと決めたはいいけど、自分の気持ちが整理できていない私は、まだ戸惑いを隠せずにいた。



待ち合わせ場所に現れた会社帰りの航佑は、ダークグレーのスーツに黒いトレンチコートを見事に着こなしていて、お世辞抜きにカッコ良かった。

さすが、広告代理店の社員。

中身の良さも手伝って、道行く女の子の視線を集めている。



なのに、私なんかが一緒でいいのかな?

釣り合わない気がして、何となくソワソワしてしまう。

私のつまらない心配をよそに、航佑がいつもと変わらない様子で、優しく微笑みかける。

そして、私を真っ直ぐ見つめながら、こう言った。



「今日が待ち遠しくて、たまらなかった.......。」
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