幼なじみはあたしの彼氏?![短編]
なんか話題を...
駅前に新しいアイスクリーム屋さん出来たらしいよ!とか?
今度チゲ鍋食べに行こうとか??
あーもう!!浮かばないよ!!!
話題が!!!
しかし、沈黙を先に破ったのは湊の方だった。
「――――あのさ、お前さ…俺のこと そんなに嫌い??」
はっと気がついて湊の声がした方をみると、あたしと湊の間が3メートルくらい空いていた。
湊の顔をパッと見ると 少し悲しそうな顔をしていた。
なんで、そんな顔するのよ。
なんでそんなこと聞くのよ。
「き、嫌いなわけ、無いじゃない。唯一の幼馴染みだし。嫌いだったら、話さないし方向同じでも一緒に帰らないわよ」
「そんだけ?」
そんだけって...
「え?」
いつも強気で強引で自信過剰の湊とは違った。
寂しそうに。悲しそうに。
さっきの呼び出されたときと同じような空気だった。
「...そんだけの理由?」
だって。
あたしたちは幼馴染で。
友達で。
同じクラスで...
っていう関係しかない。
高校が一緒なのも、腐れ縁のようなものだ。