《番外編》幕末にゃんにゃん
何十枚も取られた写真は、ぶれた物もあればピントのずれた物もあった。
「なにかしら」
「お前が取った物じゃないのか?」
「いやね。こんなに下手くそじゃないわよ」
喋りながら、写真をパッパッとめくる。
そしてある写真で手を止めた。
「……このこ。……この子知り合いに居なかったかしら?」
男が沢山移っている写真で、幸せそうに移る一人の少女を指差し彼女は彼に問いかけた。
満開のサクラをバックに取られた写真。
彼は写真を彼女から受け取ると、言われた少女をジッと見つめた。
「知り合いには居ない。でも……なぜか、知っているような気がするな……」
「でしょ!!……一体誰なのかしら……」