赤色ライオン
「りっちゃん、いい?ナンパされたら、ムカついても蹴っちゃダメよ?うで技なら大丈夫、蹴りだと着崩れるから。」

「うん、わかった。うで技ならいいんだね?」

「えぇ、うで技ならいいわ。正当防衛だからおもいっきり折ってもいいわ。」

なんて、朝から嫁と娘が微笑ましく会話をしてるのを聞いて、父、健の心中は穏やかではなかった。

まず思ったのが、

それ過剰防衛だろ。

だった。

わかっている。突っ込みどころが違うのはわかっている、でもまずその事が気に止まってしまった。

「あ、健!」

「おはよう、たけ。」

「おはよう、里津、たけって父を呼ぶのはどうかと「たけ、朝ごはん冷蔵庫入ってるから食べてね。お母さんは友達んち行くらしいから自分でやってね。」

「………里津はどこ行くんだ?浴衣だから祭りか?」

んー、娘はめっちゃくちゃ美少女だから眼鏡もみつあみも無しで行くなら止めるつもりだったけどありならいいか。

「うん、クラスメイトと。」

「あら、お母さんこよみちゃんと行くって聞いてたのに!男の子もいるの?ね!ね!彼氏できるといいわね!」

「え、里津男もいるのか?大丈夫か?」

俺は知っている。眼鏡とみつあみだろうが里津は隠しきれない程可愛いからあまり意味がないと。

それでもまぁ一人称が眼鏡っこの地味子だからとりあえず隠せているということ。

こよみちゃんも里津程ではないが可愛いからいつも一緒にいるこよみちゃんに目がいって里津は見ないからなんとかなっているだけなのだ。
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