【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~
「だったら…俺達は…捨てられたも同じじゃねぇのか?

お前を守りたいのに…強くなりてぇのに。

過去を…捨てちまうのか?」


龍平の瞳が悲しそうに揺れた。


私は龍平の元に行き、手を握った。


「龍平?…そんな顔しないで?

過去を捨てるつもりはないよ。

ただ、前に進むだけ。

龍平たちだって過去の私にいつまで縛られるの?

そのせいで今の黒龍は…。

強くなって。私は守られるばかりの弱い人間にはなりたくない。

大丈夫だから。もう…私に縛られないで。

あなたたちが守るのは私じゃない。

……いるでしょう?考えてみて?

その子を…一人にするの?その子は黒龍を信じてる。

龍平…前に進んで。

これで、終わりにしよう。」


強く強く…龍平の手を握った。
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